九州南部で大雨が降り、鹿児島は記録的な大雨が降ったみたいですね。
熊本県も土砂降りの雨と雷が数時間続きましたが、被害は無さそうです。
原農場も無事でした。
今年は早く梅雨入りしたかと思えばなかなか雨が降らず、梅雨末期にまとめて大雨が降りました。
毎年のことですが、分散して穏やかな雨が降らないものかと願うばかりです。
6月16日より田んぼに水を入れ、翌17日より田んぼの代掻き(しろかき)作業を行いました。
前回のブログでも書きましたが、最初にする代掻きの事を荒代(あらしろ)、仕上げの代掻きを植代(うえしろ)と呼びます。
22日からは、仕上げの植代を行い、田んぼ1枚1枚仕上げてまいりました。
↑上の写真は荒代を行なっている時です。
最初に水を張り、水面を基準に田んぼの中の高低差を見ます。
高い所の土を低いところにトラクターで引っ張って慣らし、それから代掻きの作業に入ります。
口で言うのは簡単ですけど、この高低差を慣らす作業がなかなか難しくいつもうまくいきません。
まだまだ修行が必要です。
↑ 仕上げの植代をしたあとの田んぼです。
天気の条件が良ければ景色が水面に写って鏡みたいになりとても綺麗です!
田植えする前の数日しか見られない光景です!
そして6月26日より田植えを行いました!
今年は新しい助っ人の登場です!
ポット苗用の6条植え田植え機です!
以前も6条植えの田植え機を使用しておりましたが、その機種のバージョンアップした物になります。
条(じょう)とは苗を植える列の事で、6条植えは6列苗を植えていくという事になります。
単純に条の数が多い程、一度に沢山の苗を植えていく=作業効率が上がるということになります!
今回、以前使っていたモデルと同じ6条植えの田植え機ですが、作業効率がかなり良くなっていました!
↑ 以前使っていたモデル。
苗を積む場所が運転席の前方のみで、数は20枚載せれます。
↑ 新しいモデルは運転席の左右に28枚、前方に12枚の計40枚載せれます。
1枚の田んぼの広さが分かっているので、株間を何センチにして植えるか決めれば、その田圃に必要な苗の枚数が決まってきます。
原農場では、ジャンボタニシの被害にあってしまうため、あらかじめ株間を少し近くして被害を最小限に抑えるようにして植えます。
そうすると1反(10a)あたり約30枚の苗が必要になってきますので、新しいモデルの田植え機に満タンに苗を積めば余裕で植えてしまえます。
苗を積む時間は多少掛かりますが、今までみたいに往復する度に積むより断然効率が良くなりました!
また、苗を植える部分にセットできる苗箱の数も1枚から2枚になったので、2枚分植える間ノンストップで植え付け作業に集中出来るようになりました。
単純に、苗の補充で立ったり座ったりする時間が2分の1になったので、作業効率が向上したのに加え1日の疲労感も全然違いました。
やはり新しい機械って良いですね〜!
今年は晴れの日が多く、日差しがキツかったです。
水面の照り返しで顔は真っ黒になりました(笑)
↑ 前方に苗を載せなくても十分な量が積めるので、前方の見晴らしが良くなり、運転もしやすくなりました!
左右に苗があるので、風が遮られる欠点はあります(笑)
↑ 黒い粒々したものは全てジャンボタニシの子供たちです。
おびただしい数に恐怖を感じます…
ここに田植えするなんて、餌を与えるようなものですね…
7月5日、全ての苗を運んでしまい、最後は苗床に使用していた2枚の田んぼを代掻きします!
翌7月6日に苗床に最後の田植えを行いました。
6月26日から7月6日まで、11日で終りました!
田んぼの枚数約80枚、面積約12ha無事終わりました、!
田植え3日目から終わりの見えない田植えに心が折れそうになりましたが(笑)、なんとか終える事が出来きました。
大きなトラブルもなく、家族みんな体調崩さず乗り切れました!
本当にお疲れ様でした!
毎日、1日の作業の終わりには田植え機を洗っていたのですが、最終日は特に念入りに洗い上げました!
来年までゆっくり休んでね!
↑ 手前が苗床植えた直後、右奥が10日前に植えた田んぼです。
葉色が濃くなっているのがお分かり頂けると思います。
田植え中、天候が良かったので根が伸びるのも早く、無事に活着したようです!
田植えが終わりホッと一息つきたい所でしたが、事件が発生しました。
「街で例のヤツが暴れているようです!」
「今年は決定的証拠を捉えましたので、ヤツももう言い逃れは出来ないはずです!」
「でかした!これでヤツも終わりだ!」
今年もスクミリンゴガイ、通称ジャンボタニシが田植え終わったすぐの苗を食べてます…
根本をかじり、茎が折れたら葉っぱを食べて最後は何も無くなります…
折角苦労して田植えしたのに10日足らずでこのありさまです。
ガッカリしますね〜
これだけゴロゴロいたら仕方ないですね。
ジャンボタニシの被害が多い田んぼに共通している事は、水捌けが悪い事、田んぼの地ならしが上手くできておらず高低差があり水溜りが出来ている、事です。
ジャンボタニシは水がないと活動しませんので、いつまでも水が引かない田んぼはジャンボタニシの活動が活発になり、食べられてしまいます。
また、田んぼの中に高低差があり、水溜りができるとそこに集まってきて苗が食べられてしまいます。
ジャンボタニシに食べられないようにするには、その原因を取り除けば良いのですが、田んぼによって水捌けが良い田んぼ、悪い田んぼがあるので難しい所です。
水がない所では活動しないなら、水を入れないと良いじゃないか、と思われるかもしれません。
確かに水を入れないとジャンボタニシは土に潜り活動をしません。
しかし水を入れないと今度は雑草が生えてきます。
稲のためにも水は必要ですので、ジャンボタニシが活発にならないように水を入れすぎず、草が生えないように地面が水面から出ないように水を入れる…という神経をかなり使って水管理を行わないといけません。
田んぼの枚数も約80枚ありますから大変です。
ジャンボタニシに食べられた所は、補植(ほしょく)といって手作業で田植えをします。
黄緑色した苗が補植した部分です。↓
また、ジャンボタニシの数が多すぎる所は水管理だけでは抑えるのが難しいので、草をわざと田んぼに切り込んで、時間稼ぎをします。↓
草を切ったそばから、草に集まってきて食べていました。
これだけ書くと、ジャンボタニシは天敵のようですが、実は稲だけでなく雑草も食べてくれているのです!
原農場では、農薬を使わずにどうやって雑草対策をしているかというと、このジャンボタニシに食べてもらっています!
ジャンボタニシがいるお陰で全ての面積を農薬を使わずにお米を育てる事ができています!
通常は稲を食べてしまうのでお米農家さんの目の敵にされ、田植え後、農薬を撒いてジャンボタニシを駆除します。
そうすると、今度は雑草がはえてくるので除草剤を使います。
ジャンボタニシと上手く付き合っていけば、農薬を使う必要はありません。
補植は大変ですけど…
毎日食べる物だからこそ、安心して食べられるお米が良いですよね!
原農場では、今後ともジャンボタニシや虫などと共存して安心、安全なお米作りを行ってまいります!
田植えの応援ありがとうございました!